太鼓屋さんの愛に感謝

2020年2月4日火曜日

機材 練習

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尾張太鼓が使っている大太鼓の中に三浦太鼓店三六-SABUROKU- があります。この大太鼓は桶胴なので軽くて大人二人で軽々運べるし、コンパクトなので演奏会場の搬入口が狭くても楽々搬入できちゃう。おまけに音が良いんです。当然くり抜き胴の大太鼓と比べるのは酷ですが、桶胴なのに太いバチで思い切り打ち込んでも全く問題なく、力強い良い音で鳴ってくれます。とても重宝しています。

購入して2年ほど経ったある日、三浦太鼓店の六代目彌市さんから連絡があり、「購入して頂いた当時のタガが納得できないものなので、無償のメンテナンスとしてタガを仕変えさせてください」とのお話を頂きました。なかなかタイミングが合わなくてさらに3年ほど経った先月、ようやくメンテナンスして頂く日がやってきました。

メンテナンス内容はなんと胴をまるごと新品に交換するというもの。もはやメンテナンスというレベルではないんですが、これを無償でやって下さるとは!

まずは調べ緒(ロープ)を緩めて胴を外すのですが、長い調べ緒を緩める作業は地味に大変。でもそこは太鼓屋の六代目、解説してくれながらサクサクと作業を進めます。

外した古い胴と新しい胴が並びました。この光景はこの日限りですね。古い胴はストレート、新しい胴はわずかにふくらみが付いているのが分かります。これはタガで胴を締めるのに必要な形状だそうですが、この形に桶を作る技術をたったの2~3年で習得された六代目や他の職人さんは凄いですね。

新しい方の胴は秋田杉で作られています。木目が綺麗♪
そして今回のタガはこの通りバッチリ!

そして新しい胴に皮を組んでいきます。この作業がまた結構な重労働ですが、太鼓屋さんならではのテクでサクサクと締め上げていきます。締める際のポイントも教えて頂きました。そして完成!

胴の材質自体は古いものと比べて軽く柔らかい杉材に変わっているのですが、ふくらみを持った形状をタガでしっかり締め上げているおかげで胴としては剛性が上がっているとのこと。にわかに信じられませんでしたが、胴単体で触り比べると確かに新しい方がしっかりしていて変形しにくいですし、組み上がった太鼓を打ってみるとガチっとした打撃感が手に返ってきます。音も締まった感じ。

今回、胴が全くの新品に入れ替わるという「メンテナンス」だったのですが、材料費も製作工数もかなりかかっています。なぜここまでのサービスを無償でされるのか、六代目に直撃で質問してみました。

六代目の答えは「太鼓に対する『愛』」、「作り手の責任」、「使ってくださる方というより、私自身が納得したい」とのこと。この言葉だけを聞くとちょっとクサいセリフに感じるかもしれませんが、六代目は余裕で納得させてしまうだけのことをされているのでカッコイイ。この姿勢が三浦太鼓店のファンを増やしているのだろうなと感じました。

尾張太鼓の三六をますます大事にして活躍させていきたいと思います!

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